雪洞泊 四阿山
【日程&コース】2025年3月20.21日
1日目 6:00松戸駅=10 :00 四阿山登山者駐車場-10:25四阿山登山口-12:30里宮-14:00 2170メートル付近雪洞適地 雪洞泊
2日目 8:00雪洞出発ー8:29四阿山山頂8:44-9:07雪洞適地9:47-10:16里宮10:32-11:31四阿山登山口
【メンバー】Y﨑(L)、K林、S籐
岩沢分科会の精鋭2人が、外部講習で雪洞泊訓練をしてきました。(山ブログ:谷川岳で雪洞泊)
雪山では出発時に晴れていても、途中霧で視界が無くなったり吹雪かれる事もしばしば。知識だけでなく、雪洞を掘り一晩過ごす体験は、万が一のビバークの際に絶対に役立つはず‼️2人に感化され、私達も雪洞泊をやってみようとリーダーが計画を立ててくれました。
当初は守門岳で東洋一の雪庇を眺め、雪洞泊をするステキ予定でしたが、2日目霧と20メートルを超える暴風の予報。本当に遭難してもまずいので、代案でお天気の良さそうな四阿山に変更。(もちろん山行部に届け済)
駐車場に車を停めて、どデカいザックを背負います。雪山フル装備に、雪洞泊を楽しもうと宴会の準備にも余念がありません。
牧場の中は平地の様ななだらかな冬道。トレースもしっかりあり、ツボ足で進めます。リーダーは今シーズンまだ使ってないスノーシューを持参して、ここぞとばかりに履いて感触を確かめます。
それにしても良い天気‼️深い青空の色と銀世界。
「やっぱり雪山は天気が良くなきゃね」後半は流石に傾斜がきつくなり、途中でアイゼン装着。
根子岳と四阿山山頂分岐付近、岩がゴツゴツでてきました。少し下った先で雪洞を掘れそうな場所を探します。
地形を見定めスコップを入れてみますが、思ったよりも雪が少なく、ちょっと掘るとカチカチのアイスバーンや枝が出てくる始末。ゾンデ棒を持ってくればよかった😩と後悔するリーダー。場所選びにも意外と苦慮します。
Kさんが探し当てた斜面が良さそうです。さすが雪洞泊経験者、ここぞという時に頼りになる‼️
よし、作業開始。豪邸にするべく3人で力を合わせます。
掘る係と、掘り出された雪を除雪する係。雪は崩さずにブロックになる様に掘ると作業が楽です。
掘り進めて中の空洞が大きくなったら、ツェルトを敷き、そこに掘った雪を集めて一気に外に運び出します。
掘って行くと、途中で枝が出てきてしまいました。これ以上奥には進められないので、両脇を掘り広げて楕円形にする作戦に。一晩寝ると雪が締まって天井が2.30センチ下がってくるとAちゃんから聞いたので、それを見越して天井を高めに削り、居住性も良くしました。
中をなだらかになる様に削って、、、床から出てきた枝が見苦しいので、それを雪で隠して(ちょっと盛り上がっちゃったけど)写真では奥行きや天井の高さがわかりずらいですね💦
入り口を掘り出したブロック雪で固めてツェルトで塞いだら完成‼️
3人でおよそ2時間かけ、立派な豪邸に仕上がりました。広さは6人用のテントくらいあるでしょうか。雪洞の大きさに比例して、作業にかかる時間と労力がわかっただけでも貴重な学びです。本当にビバークが必要そうなら、余力のあるうちに早めに決断するのが良いね。と確認しあいました。
労働の後のビールは最高‼️
傾く太陽と景色を眺めながら至福の時を過ごします。遠くのとんがった山は槍ヶ岳かな??
さて、荷物を中に入れて本格的に宴会開始。山話に花が咲きます。
ところが熱で床の雪が少し溶け、座っていた銀マットが低い地点向かってツルツル滑って動いてきました。枝を隠したはずの場所は、銀マットを何度敷き直してもズレて剥き出しに。3枚の銀マットは低いところに重なり合い、全体に人ごと中央に集まっていき、、、オマケに天井の真ん中からもポタポタと水滴が😱😱なだらかにしたつもりでしたが、真ん中が1番下がっていたんですね💦宴会どころじゃなくなり、補修工事の時間となりました。
「コッヘルで削ると良いんですよ〜」経験者の知恵は要所で役立ちます。床は高い所を削り、低いところに埋めます。天井はドーム型になるよう修正して。小さなハプニングも楽しい。
補修が終わると雪洞の中は快適空間に。テントよりもずっと暖かいです。中の気温は零度くらいに保たれるんだとか。外は満天の星。きっと百名山を3人占めだね〜と言いながら、贅沢な時間を楽しみました。
その晩はぐっすり熟睡、枕元に置いていたペットボトルの水が凍る事はありませんでした。天井は確かに昨夜よりも下がってきて、幾分空間が狭くなっていましたが、特に問題なし。溶けた雪が水になり、壁伝いに落ちてきて床がびしょ濡れになる事も、、、と聞いていましたが、今回はそんな被害もなく雪洞泊は無事成功に終わりました。
翌朝も快晴。遠くは霞がかかって、昨日の深い青とはまた違う空の色。
自然の美しさに感動しながら山頂を目指します。
山頂につきました。また1つ百名山をゲット。頂きからの眺めを堪能します。
笑顔が素敵なKさん。寡黙な方ですが、かなりの実力者。
長居は無用。雪洞まで戻り、今度は解体。
穴がある事を知らずに誰かが踏み抜いたりしたら大変ですからね💦
また重たいザックを背負い下山。近くの温泉に寄り、お腹を満たして帰路に着きました。
この雪洞泊で、まさしく百聞は一見にしかず、自分で体験する事は何よりの学びとなると感じました。ロープワークもそうですが、いざという時に役立つスキルをきちんと身につけて、今後も山を楽しんでいけたらと思います。
今回もY﨑リーダーには大変お世話になりました。ここの所転身の多いY崎さんの山行ですが、好判断のおかげで山頂まで辿り着け、素晴らしい景色を見る事ができ感謝しています。そしてKさん、色々教えてくださってありがとうございました。また次回の山行でも宜しくお願い致します。