甲武信ヶ岳を沢から行く
奥秩父の名峰、甲武信ヶ岳。今回はこの山に沢から登ります。笛吹川東沢釜ノ沢東俣(確かに暗号のようですね)、行程が長いので沢泊しての遡行です。
【日程&ルート】2025年5月22.23日
5/22 西沢渓谷市営駐車場ー鶏冠谷出合ー山の神ー釜ノ沢出合ー両門の滝ー幕営適地
5/23 幕営適地ー水師沢出合ーポンプ小屋ー甲武信小屋ー木賊山ー戸渡尾根ー徳ちゃん新道ー駐車場
【メンバー】Y﨑(L)、K林、Y城(会員外)、S藤
国内屈指の渓谷美と称される西沢渓谷。遊歩道が整備されており、足を運ばれた方も多いのではないでしょうか。西沢は笛吹川の上流で、国師ヶ岳方面から水を集めます。一方東沢釜ノ沢は甲武信岳側から南下する上流沢で、こちらはバリエーションルート。
西沢渓谷市営駐車場に車を停めて出発します。
ゲートをくぐり西沢渓谷への車道をしばらく進みます。目が覚める様な鮮やかな新緑。
徳ちゃん新道。帰りはここから下山します。
二俣吊橋を渡り
西沢渓谷と東沢渓谷の分岐
注意喚起の看板がこのあと幾つも出てきます。気を引き締めて進みます。
鶏冠谷出合。沢の中から大木が立っています。ここを遡行すると鶏冠山山頂にでます。
私達は沢の支度を整え東沢に向かいます。
いざ入渓。思ったほど水は冷たくないです。
しかしすぐに高巻き。水量が多く深いので、東沢を眺めながら暫く山歩き。
水が澄んだ青色をしています。昨年行った白滑八丁沢も大変美しいエメラルドグリーンでしたが、ここの水はコバルトブルー。なんて神秘的な沢なんでしょう。
夏ならば泳いでも楽しそうです。
ホラノ貝のゴルジュ。水のグラデーションが美しい。
山ノ神の祠。この先から再入渓
やっと沢を歩けます。
乙女滝。冬は滝が凍りアイスクライミングで人気。
ナメ滝はどれも美しく、しばし見惚れます。ずっと高いところから岩肌に沿って流れ込んできます。
こんなへつりがあったり
こんなとこも。ドボンするとかなり深いです。
少し進むと魚留の滝
危ないとこはちゃんとロープを使います。
そして本日のハイライト千畳のナメ。
幅10メートル、長さ200メートルに渡りキラキラと流れます。写真では美しさを伝えきれません。
ナメ滝は沢床に茶色い苔がむして滑ります。3人はフェルトシューズだったのですが、苔に弱いラバーシューズのKさんは、なるべく岩場を歩きます。
両門ノ滝
水が膝までしかなくても、流れが急だと足元が掬われそうになります。スクラムを組む場面も。
広河原手前で、本日の幕営地を探します。フラットで石の無い一等地発見。
テントとタープを張って
近くの岩壁から滴る水を集め
着々と宴の準備。うーん。ワイルドな感じがたまらない
乾杯‼️重たい荷物を背負ってきた甲斐があります。
大自然に包まれ沢の音を聴きながら火を囲む。なんとも贅沢な時間です。
〆にラーメンを食べ就寝。
夜半に雨が降り出し、朝は中々起きる気になれませんでしたが5時起床。タープのおかげで外に出していた荷物は無事でした。直前でタープを持って行こうと判断したリーダーはさすがです👍
鍋の残りで雑炊を作り、Kさんの持ってきたソーセージを頬張って出発。
雨は上がり一面モヤで、しっとりと幻想的な雰囲気。ザックは軽くなった筈なのに、何故か昨日よりデカい。暫くは樹林帯歩き。
もちろん本日も滝を登ります。
茶色の苔、メチャメチャ滑ります💦慎重に
詰めのゴーロ帯を歩きながら皆無口。傾斜がキツくて身体に堪えます。
あっ!遠くに雪渓が見えます。どおりで水が冷たいと思った。
雪渓の下までやってきました。
ここで雪に出会えるとは思っていなかったので、ちょっと得した気分に。
ポンプ小屋を経由し、甲武信小屋に無事到着‼️
装備を外して、温かいうどんを頂きました。ガスで眺望もないし、山頂はみんな踏んだ事があるので割愛。
さあ下山。
とりあえず木賊山の山頂は踏んで記念撮影。戸渡尾根、徳ちゃん新道を下ります。
苔が美しいゾーンを抜けると石楠花のトンネル。
そしてミツバツツジ、ヤマツツジと、まさに見頃のお花に癒されながら、キッツい傾斜を下ります。
駐車場でゴール。2日間の楽しい冒険を終えました。
私は今回沢泊は初めてでしたが、重い荷物を背負っての沢登りは大変でした。不安定な足元は1歩1歩神経を使いますし、へつりや滝の登攀は、いつも以上にバランスを取るのも一苦労。頭も身体もこれまでになくクタクタになりました。それでも沢での時間は楽しく、充実したものとなりました。焚火を囲んでの沢泊最高‼️
東沢釜ノ沢は非常に美しく、見ていても歩いていても素晴らしい沢でした。また夏に来て今度は泳ぎたいな。これからも様々な沢にチャレンジしていきたいと思います。
計画してくださったY﨑リーダーはじめ、ご一緒くださった皆様ありがとうございました。