熊本・大分遠征(百名山とミヤマキリシマの旅)

【行程】

5月24日(土)羽田空港8:00=9:45熊本空港=(レンタカー)=仙酔峡駐車場12:40-13:24中間点13:30-14:30尾根1581m地点14:35-16:10仙酔峡駐車場=赤川温泉

5月25日(日)赤川登山口6:50-9:05久住山9:10-9:30御池-9:42池ノ小屋避難小屋9:48-9:54中岳10:11-10:55稲星山-11:10神明水-13:55赤川登山口=竹田市神原

5月26日(月)宿=尾平登山口6:57-8:50宮原9:00-10:10九合目小屋10:20-10:35祖母山11:10-12:22天狗岩分岐12:30-13:50川上渓谷-14:50尾平登山口=竹田温泉=熊本空港20:20=21:55羽田空港

【メンバー】N田さん(L)、M藤さん(SL)、T中さん、S木(記)

リーダーに今回の遠征に誘っていただいてから、この日が来るのをとても楽しみにしていました。塔ノ岳の事前トレーニングを実施していただき、また、自主トレや事前対策を行い、今回の遠征は現時点でのベストコンディションで臨みました。期待と不安の中、九州南部が平年より2週間も早く梅雨入りし、天気予報では雨マークが並ぶようになり、毎日天気予報と睨めっこ。最初の2日間は雨の中の山行でしたが、最後の一日は曇りで天気に恵まれました。ミヤマキリシマやイワウチワなどたくさんの花が可憐に咲き誇り、山の美しい風景を堪能しました。また、山のさまざまの厳しさも経験する山行になりました。阿蘇、久住、祖母と3つの山に登りましたが、それぞれ特徴があり、変化に富んだ百名山にふさわしい山だと実感してきました。

まず1日目、熊本空港では雨は止んでいます。このまま雨に降られずに登れるのではと思い、期待をしながら仙酔峡駐車場に行きました。霧雨が降っていて、ミヤマキリシマも咲いていますが、満開のピークは過ぎていました。メンバーのモチベーションが下がります。「どうします?」お昼を車内で食べていると、空が明るくなってきました。「せっかくだから登りますか!」カッパを着て、仙酔峡のミヤマキリシマをバックに記念撮影を行い、阿蘇山の高岳を目指します。

遅咲きの色鮮やかなミヤマキリシマが咲いていました。

晴れ間も見えていきました。麓の見晴らしも素晴らしいです。

 

この仙酔峡から登山道は、バカ尾根と呼ばれ、溶岩のゴツゴツした岩場をひたすら登っていきます。

岩山にもミヤマキリシマがところどころに咲いていました。

中間点を過ぎた辺りから、雨が降り出し、再びカッパを着てひたすら登ります。下山してきた登山者の情報では、稜線は風が強いとのこと。雨の中岩場を慎重に登り、ようやく稜線に着きましたが、立っていることもままならぬ横殴りの暴風雨です。稜線をあと約200mで高岳山頂でしたが、暴風雨がおさまりそうもなく危険と判断し、勇気ある撤退となりました。

ずぶぬれになりながらもミヤマキリシマはきれいでした。爽快感はあります。

阿蘇山の仙酔峡からは早々に撤収し、途中、竹田市内のスーパーで買い物を済ませ、次の目的地の久住山の麓の赤川温泉に向かいます。

宿の赤川温泉スパージュは、ログハウス風のきれいな宿でした。露天風呂にも入れました。

2日目は久住連山縦走です。朝5時頃からの朝食でしたが、外は大雨と強風のため出発を1時間ほど遅くしました。赤川登山口に着くころには雨も止み、天気の回復を期待します。

 

まずは、赤川沿いの道を進みます。温泉の臭いがします。赤川は川底全体が茶褐色で、赤川の名前の由来になっていることがよくわかりました。登山道の初めのころは、砂防ダム脇の林道をクロスするように登っていきます。そのうちに新緑のまぶしい広葉樹林の中を登っていきます。その後は、登山道がミヤマキリシマの群生地に入っていき、ミヤマキリシマの花見をしながらの登山となりました。ここは見事に満開でした。

 

8合目くらいに登ったところで、急に天気が悪くなり、雨風が強まってきました。昨日に続き、カッパを着て登山再開です。ほどなくして久住山に登頂しました。昨日の阿蘇山の暴風雨ほどではありませんが、気温は8℃ほどで、10m以上の強風が吹いており、記念撮影をするのがやっとでした。しかし、達成感はひとしおでした。

暴風雨のためこのまま下山も検討しましたが、危険を感じるほどではなかったため、予定通り縦走することにしました。雨風は強かったですが、登山者も多くいて心配するほどではなかったです。

 

九州最高峰の中岳に登頂しました。全員で記念撮影をしてもらいました。このあとは、中岳を下り、稲星山まで縦走です。

稲星山の先は平らな岩砂漠となっていて、赤い地面がまるで火星に来たかのようでした。

尾根伝いにまだつぼみのミヤマキリシマの低木群生地のを抜け、神明水の分岐から、七曲り、猪鹿狼寺本堂跡経由で赤川登山口まで下ります。楽に下山できると思いきや、大雨のあとのドロドロ地面の谷の登山道に苦しめられます。ロープはありますが、一定方向に張られていなく、足場のポジション取りに苦戦しました。複数のメンバーが泥の谷のトラップの餌食になり、ズボン、ザックが泥まみれとなりました。ようやく泥の谷を抜けた先に、ここにもミヤマキリシマの群生地が広がっていました。

遅めのお昼休憩をし、その後は順調に下山しました。赤川登山口から歩いて行けるところに赤川温泉がありましす。泥まみれになった登山靴、カッパやザックカバーを水で洗い流してから、温泉に入りました。

マツコの知らない世界でも紹介された名湯だそうです。露天風呂からは目の前に滝が見え、すばらしい温泉でした。疲れもとれた気がしました。この日は、その後竹田市神原(こうのばる)にある今日の宿、民宿清流に向かいます。渓流沿いにある一軒家の民宿です。1日3組泊まれるそうですが、この日の宿泊客は我々だけで貸し切りでした。前日はヨーロッパからの宿泊客だったとのこと。インバウンド恐るべしです。夕食は、和洋折衷のコース料理でした。オーナーがヨーロッパで料理の修行をしてきた方で、地元の食材を使い、全ての料理がおいしく見た目もきれいで、田舎の民宿なのに人気があるのに納得です。お値段もとてもリーズナブルでした。

 

 

写真はコース料理の一部です。これに茶碗蒸し、スープ、ヤマメの塩焼きなどがついていました。写真を撮るのも忘れおいしくいただきました。朝も4時半からという無理なお願いを聞いてもらい、朝食を準備していただきました。簡単なものとのことでしたが、こちらもとてもおいしかったです。

3日目、最後の日は雨は降ってなく、楽しい登山が期待されました。朝5時に宿出発です。まだ少し暗かったです。

車で10分ほど走ると、サブリーダーに電話が入りました。電話の相手は、民宿の方です。私の忘れ物に気づいてくれました。とてもありがたかったです。宿まで戻っていただき30分近く出遅れてしまいました。尾平登山口までは宿から遠く、予定より約1時間遅れでの出発となりました。

 

 

 

 

登山口から右奥に見える山がこれから登る祖母山です。この時点でどれが祖母山かわかりませんでしたが、山頂から麓が見ることができ、後からわかりました。山頂まで右回りの周回で、宮原(みやのはる)コースを登ります。渓谷にかかる吊り橋を渡っていきます。

このあとは新緑がきれいな手入れされた広葉樹林の登山道を進みます。いつもの里山の登山とは違い、おだやかな景色ですが、かなりの急登です。キビタキやカッコウ、ウグイスなどたくさんの鳥たちが我々を迎えてくれました。沢も渡っていきました。

高さが100mごとに標識があり、休憩の目安になりわかりやすかったです。宮原の分岐からは馬の背という岩場になっていて、トレッキングポールを収納し、鎖場を慎重に渡りました。

 

目の前にはイワウチワが可憐に咲いていました。9合目小屋を過ぎたあたりに大きなシャクナゲの木がありました。あまりの綺麗さに近くに写真を撮りに行きます。

満開のシャクナゲの木の下で笑顔を見せるリーダー。そしてついに山頂に到達。

登りがいがありました。天気は曇りでしたが、パノラマビューで、阿蘇山、久住連山ほかたくさんの九州の山が見えました。登ってきた尾平登山口も見えました。

山頂でお昼休憩をしましたが、眺めがよくできるだけ長くいたかったです。気持ちを切り替え下山します。天狗岩分岐から黒金山尾根コースで下山します。いきなり急な崖が我々を待っていました。ロープを伝い慎重に下ります。その後も岩や崖に掛かる梯子の連続でスリルがありました。しばらくすると、平坦な広葉樹林帯になっいて、距離はありますが、高度はなかなか下がりません。日差しが出てきて少し暑かったです。

 

 

天狗岩分岐から川上渓谷までは、樹林帯の中の急斜面を一気に下ります。ロープのある急斜面もありました。

ここにも高度100mごとに標識があり目安になりました。ついに100mまで下ってきました。残り100mは川上渓谷沿いを楽に行けると、全員が思っていましたが、思わぬ落とし穴がありました。渓谷の川を対岸へ渡らなければならないのですが、昨日の大雨で水かさが増しています。川を渡れるポイントを探します。岩に苔が生えていて滑ります。岩を踏み外すリスクを回避し、靴を脱ぎ裸足になり、川を渡りました。


 

その後も沢を渡るところが何か所かありました。岩に苔が付いていて、何回か足元をすくわれましたが、大けがをすることなく無事下山できました。

その後は豊後竹田駅近くの竹田温泉に立ち寄り、汗を流しました。時間が押せ押せとなってしまいましたが、何とか挽回し、熊本空港でお土産を見たあと熊本ラーメンなどを食べながら反省会ができました。

今回の遠征は、山の厳しさと楽しさを、今までの何倍も感じることができました。どの百名山も素晴らしかったです。今回の山行に誘っていただいたリーダーのN田さん、本当にお世話になりありがとうございました。レンタカーの運転も全部していただき、お疲れ様でした。サブリーダーのM藤さん、T中さん、ご一緒していただきありがとうございました。教えていただくことがとても多く、いろいろな山のことを学ぶことができ、貴重な経験となりました。健脚の皆さんの足を引っ張ってしまったかもしれませんが、これに懲りずまた一緒に山に行っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします!

 

 

 

 

 

 

熊本・大分遠征(百名山とミヤマキリシマの旅)” に対して1件のコメントがあります。

  1. ぴよちゃん より:

    ブログありがとうございました
    そして3日間お世話になりました
    みな満身創痍で思い出に残る山行になりましたね!

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